がんばれ、受験生
カフェでぼんやりしている。
目線を上げた先に、「共通テスト」と書かれた冊子を見ながら、赤ペン片手に険しい顔をした青年が一人いた。
そうか、もうすぐ共通テストか。
自分の頃はセンター試験と言ったっけ。
懐かしいな。あの頃の自分。よくもまぁあれだけ勉強できたものだ。
カフェで頑張る青年。心から応援したい。
おそらく、君が見ている解説書の内容なんて、大学を卒業する頃には99%忘れているだろう。
世の中には、画一的に能力を測る共通テストや大学受験はおかしいと言う輩が少なくない。多様性を大事にしろだの個性を大事にしろだの。(そう言う奴に限って声がでかい)
僕は、そんなことを宣っているSNSのユーザーが個性的で魅力的に見えたことは一度たりともない。
それよりも、目の前にいる、共通テストに向けて一心不乱に勉強している青年の方がはるかに、魅力的だ。
今だから、言える。99%忘れるであろうその試験勉強に意味なんてある。
その時の姿勢は、今後何十年も生きていく上での盤石な土台になり得る。
第一志望の大学に落ちるとか、希望した就職先になれなかったなんてことは、表面上の問題だ。
君が頑張るその姿勢、その本質を磨いていることに何物にも変えられない、価値があるんだ。
名前も知らない、思い入れもない青年を、心から応援したい。
がんばれ。